政権交代

テレビなどのコメンテータでおなじみの榊原英資早稲田大学教授の一冊。
戦後の日本の政治から現在の状況までを分析し、いままさに政権交代をしなければ日本が破滅する道を歩むと提言。
後半には民主党小沢代表との対談もある。
戦後日本が高度成長をつづけてきた背景に、自民党の主要総理大臣の功績をあげている。
平和国家を掲げて、アメリカとの交流・支持を実施した吉田内閣。その後経済に注力してきた池田内閣。
そして、官僚をうまく手足として使い、公共投資等で地方のインフラ整備をしてきた田中角栄。
その後、ニクソンショックやオイルショックの危機を得て、民営化を進めた中曽根内閣。
自民党の黄金時代だが、その後細川連立政権による小選挙区制の導入。その後森総理の失言多発などで、
自民党の回復を求めた小泉内閣。
そのためか、小泉内閣は、あくまで自民党の政権維持を目的としたポピュリズムにすぎないと批判している。
ポピュリズムとは、大衆にアピールすることを主眼としており、メディアを利用して、白黒をわかりやすく説明する。
小泉内閣の郵政民営化、道路公団民営化など。
たとえば、そもそもの目的であった道路建築の抑制による無駄な投資をなくすための道路公団民営化は、結局は虚像におわってしまい、今後の郵政民営化もも危ないのではないかと。
いまの日本の政治の問題は、大きく２つ。
１つは　制度の補完性が強過ぎること。１つをやるとそれと連携しているものが多数ある構図であり、部分最適による
スモールスタートの改革ができない。
２つ目は、既得権益が強すぎて、あたらしいことに対する反発が多すぎること。
この２つの問題を変えるには、一度政権を変えてみないことにはどうしようもない。と指摘している。
ただ、政権を変えることで解決できるとは思わないが、変えないことには次の一手が打てないのも事実である。
小沢民主党がどこまでできるかは分からないが、今の構造におかれている自民党内では　やりたくてもできないし、
またやれる人ももいない。
どんどんグローバル化も遅れて世界から取り残されていく。アメリカも日本より中国に関心がある。
ロシアも官民が協力してガスプロムという巨大会社で世界を攻めてきている。
中国もインドもブラジルも・・・・。
今日、福田内閣の内閣改造があるそうだが、あまり目新しいことはないだろう。
このままでは日本は本当にやばいかも・・・・。
★★★★☆

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